ピロリ菌について、よくある質問をまとめました。
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Q.ピロリ菌とは、どんな菌ですか?
A.ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌です。ピロリ菌が胃・十二指腸潰瘍やがんなどの原因になっていることがわかっています。
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Q.ピロリ菌は、どうして胃の中で生きていられるのですか?
A.胃の中は胃酸が出ているため、通常の菌は死んでしまいます。ピロリ菌は特殊な酵素をもっており、アンモニアを発生して、胃酸から身を守っているため胃の中で生きることができます。
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Q.ピロリ菌は、どのような疾患を起こすのですか?
A.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎は慢性活動性胃炎ともいわれ、胃粘膜に多数の白血球の浸潤を伴う胃炎です。腹部や背中の痛み、不快感、胸やけ、吐き気を起こすことがあります。
ピロリ菌の感染自体は自覚症状のないことが多く、胃痛や胃炎の症状があり検査をして初めて感染に気付く人が多いです。
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Q.ピロリ菌を放っておくとどうなりますか?
A.消化性潰瘍・胃MALTリンパ腫・機能性ディスペプシア(FD)・胃ポリープ・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を引き起こし、萎縮性胃炎を経て一部は胃がんを引き起こすことがあります。ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に除菌での保険適用が拡大されたので胃がんを含む、ほとんどの疾患を抑制できる可能性があります。
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Q.ピロリ菌はどのように感染するのですか?
A.どのように感染するか、はっきりとわかっていませんが口から感染するのが大部分であると考えられています。衛生環境と関連していることが報告されていて、感染する機会は減ってきていると考えられています。
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Q.ピロリ菌は十二指腸潰瘍と関係があるのですか?
A.ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こすことが確認されています。胃・十二指腸潰瘍の患者さんでピロリ菌を検査すると、約90%の患者さんがピロリ菌に感染していて、ピロリ菌が原因になっていることがわかっています。
ピロリ菌がいる場合には潰瘍の治療をしても再発する可能性が高くあります。
ピロリ菌を除菌することで胃・十二指腸潰瘍の再発率は著しく低下することが認められています。
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Q.ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の他にどのような悪さをするのですか?
A.代表的なものとしては胃がんとの関連性が指摘されています。感染している人と感染していない人では、ピロリ菌に感染している人の方が、胃がんの発生するリスクが高いと言われています。
胃がん・萎縮性胃炎などに加え、消化器以外の疾患でも血小板減少性紫斑病・貧血・蕁麻疹などとの関連が示唆されています。
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Q.ピロリ菌は胃MALTリンパ腫と関連があるのですか?
A.胃MALTリンパ腫は胃に発生する悪性度の低いリンパ腫という病気です。胃MALTリンパ腫の患者さんの多くはピロリ菌に感染しており、感染による慢性胃炎が原因であることがわかっています。国際的なガイドラインにおいても、ピロリ菌の除菌が第一選択の治療法で、ピロリ菌の除菌により60~80%が改善します。改善した場合の長期予後は良好です。
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Q.ピロリ菌の検査はどのようにするのですか?
A.胃内視鏡検査時にピロリ菌感染の有無を確認できます。詳しくは医師にご相談ください。
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Q.除菌治療をすると、どのようなメリットがありますか?
A.ピロリ菌は発がんリスク因子の一つのため、除菌を行うことにより3年間のフォローで胃がんの発生が約1/3に抑制され、再発を予防する効果があります。
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Q.ピロリ菌の除菌治療はどのようにするのですか?
A.お薬を1週間しっかりと飲むことで約70~80%の患者さんはピロリ菌を除菌できます。
1回目の除菌治療で除菌が出来なかった場合には、お薬を変えて再度除菌治療を行うことが可能です。2回目の除菌治療では約90%の患者さんで除菌ができます。
除菌が成功したかどうかは除菌治療終了後4週間以上あけて検査をすることでわかります。
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Q.除菌治療による副作用は、どのようなものがありますか?
A.いずれも除菌治療時の一時的なものであると考えられていますが、下痢・軟便・味覚異常・肝機能の検査値が上がることがあります。
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Q.除菌治療後に生じる問題はありますか?
A.ピロリ菌の除菌が成功した患者さんのうち少数の方に逆流性食道炎が起こることが報告されています。これはピロリ菌の除菌によって低下していた胃酸の分泌が正常に戻ることによって起こることが考えられますが、一時的・軽微な場合が多く治療が必要となるケースは稀です。詳しくは医師にご相談ください。