2016.06.29更新

胃・十二指腸潰瘍になるとどうなるの?

 

①上腹部の持続的な痛み

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状として、最もよくみられるのが痛みです。上腹部やみぞおちに、鈍く持続的な痛みが多くみられます。胃潰瘍の場合は、食後に痛みを感じることが多いと言われますが、これは胃に入った食べ物が潰瘍を刺激して痛みが起こるためです。

十二指腸潰瘍の場合は、空腹時に痛みが起こり、食事をとると痛みが治まるのが特徴ですが、これは胃酸が潰瘍を刺激して痛みが起こるためです。

なかには潰瘍があっても全く痛みを感じない患者さんもいるため、痛みがあるかどうかや、痛みの強さだけでは潰瘍の程度を判断することはできません。

②胸やけ

 胸のあたりに焼けるような不快な感じがする胸やけが起こります。また、酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップが出る「呑酸(どんさん)」という症状が現れることもよくあります。このような症状が起こるのは、胃酸の出すぎや、胃の運動が悪くなったり、胃から十二指腸に続く幽門や十二指腸が狭くなって、胃に長時間食べ物が残ることで食道に胃酸が逆流するためです。

③食欲不振

胃潰瘍の患者さんでは、食べ物が胃に長時間残ることなどによって、食欲不振を感じることがあります。吐き気やおう吐などの症状が起こることもあります。

④膨満感

胃潰瘍の患者さんでは、胃酸の分泌が低くなることがあり、腸管内でのガスの発生が増えたり、腸の運動が鈍くなったりして、おなかが張った感じが起こりやすくなります。

病気の程度が悪くなると、その部分から出血して吐血や下血(便に血液が出ること)、穿孔(胃・十二指腸に穴があくこと)、腹膜炎などの症状が起こったりします。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会