2021.05.25更新

大腸がん

大腸がんとはどのような病気でしょうか

大腸がんは、約2mの長さである大腸(直腸、盲腸、上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にできやすいと言われています。
粘膜の表面から発生し、その後大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移します
大腸がんは、食生活の欧米化により増加傾向にあります。

 

大腸がん <原因>

発生要因として、喫煙、飲酒や肥満、食べ物においては、赤肉や加工肉、卵、乳製品などや炭水化物、砂糖などの摂り過ぎが指摘されています。遺伝的要因も関係していると考えられています。

大腸がん <症状>

大腸がんの初期はほとんど無症状です。進行癌になって症状が出てくることが多いです。

主な症状は、

・血便
・下血
・下痢と便秘の繰り返し
・ 便が細い
・ 残便感
・ おなかが張る
・ 痛みを伴うしこり
・ 腹痛
・ 貧血、立ちくらみ
・ 原因不明の体重減少 など
(* 大腸のどこにどの程度のがんができるかによって症状が異なります)
大腸がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便についたり、黒い血塊が出るなどの特徴があります。
また、大腸がんによる腸閉塞症状から嘔吐が起こり、がんが発見されることや、大腸がんの転移が肺や肝臓の腫瘤として先に発見されることもあります。

 

大腸がん <検査>

大腸癌検査の関医的検査として便潜血検査(便に血液が混じっているかの検査)があります。

しかし、この検査はポリープ検査の所でも述べたように、便潜血検査は早期癌でも50%程しか陽性にならない場合もあり、便潜血検査陽性になったときに大腸カメラを行ってもすでに進行癌になっている場合もあります。

大腸がんの検査で最も精度が高いのが、大腸内視鏡検査です。
小さな早期がんでも発見可能でき、便潜血検査や注腸造影検査では発見できないがんも発見できます。
疑わしい病変が見つかった場合は、病変の一部を採取し調べる生検を行います。これで病変が悪性のがんか良性かがわかります。

がんが見つかった場合は、その広がりを調べるために、CT検査、MRI検査、超音波検査などを行い、がんの進展度(ステージ)を決定します。

 

 

ペプシノゲン検査

他の市区町村でABC検査を受診された方も、当院で苦痛の少ない内視鏡検査(精密検査・2次検査)も受けていただけます。

 

大腸がん <治療>

大腸がんは早期に発見できれば、内視鏡手術や外科療法により完全に治すことができます。
進行し転移している場合は、外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などを組み合わせて治療を行います。

 

大腸がん <予防>

1.たばこは吸わない。
2.他人のたばこの煙をできるだけ避ける。
3.お酒はほどほどにする。
4.バランスのとれた食生活を心がける。
5.塩辛い食品は控えめにする。
6.野菜類、豆類、果物、穀類、海草類、きのこ類、ビタミンC・Eは積極的に摂る。
7.適度に運動する。
8.適切な体重を維持する。
9.ウイルスや細菌の感染予防と治療を行う。
10.定期的にがん検診を受ける。
11.身体の異常に気がついたら、すぐに受診する。
12.正しいがん情報でがんを知る。

がん予防のためには、受動喫煙にも注意する必要があります。
また、食生活にも注意を払い、お酒や塩辛い食品は控えめにし、バランスの取れた食事を心がけましょう。野菜や果物を意識的に摂ることも大切です。また、適度な運動は大腸がんの予防に効果的だとされていますので、運動をするようにしましょう。

症状がないうちからの定期的な大腸カメラの検査で、ポリープのうちに切除できれば、大腸がんの予防にもなります。