2021.05.20更新

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群IBS(Irritable Bowel Syndrome)ってどんな病気でしょうか

大腸内視鏡検査や血液検査において特に異常が認められないが、腹痛を伴った便秘や下痢が長く続く病気です。
この病気は、日本を含む先進国に多い病気です。
発症年齢は20〜40代に多く、やや女性に多くみられます。
便の状態により、便秘型、下痢型、交代型の3つに分類されます。男性では下痢型、女性では便秘型が目立ちます。
適切な治療を行えば改善に向かい、ある程度自分でコントロールできるようになる病気です。

 

過敏性腸症候群 <症状>

症状は・・・?


・下痢と便秘が交互に起きる
・腹痛の後、大量の粘液が出る人
・お腹にガスがたまる
・突然、腹部に激痛が起きる
・整腸剤を飲んでもなおらない
・下痢が続く
・検査では異常がない(便の潜血検査、血液検査、尿検査、腸の内視鏡検査)
・腸の位置が異常である(腹部レントゲンでわかる)

 

症状によって下痢型・便秘型・交替型の3つのタイプに分けられます。

1番多いタイプが下痢型です。

便秘型は男性より女性に多く、中高年に多いです。

 

過敏性腸症候群 <原因>

直接的な原因は、未だに解明されていません。

不安や緊張などの精神的なストレスや自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスの乱れで起こる可能性もありますが、直接的な原因とは考えられていません。

 

過敏性腸症候群 <食事>

どんな食事をとったらいいですか?

 

食事は1日3回、朝・昼・晩と、できるだけ決まった時間に食べるようにします。これによって、排便のリズムも整ってきます。
腹8分目が胃腸に負担をかけず、適量だといわれています。
早食い・まとめ食いは避けましょう。
 過敏性腸症候群(IBS)の人は、普通の人よりも刺激物に対し胃腸が敏感になっていますから、とうがらしなどの香辛料、アルコール、炭酸飲料、カフェインのとりすぎには注意しましょう!

 

ペプシノゲン検査

他の市区町村でABC検査を受診された方も、当院で苦痛の少ない内視鏡検査(精密検査・2次検査)も受けていただけます。

 

過敏性腸症候群 <治療>

過敏性腸症候群の治療とは・・・?

 

まずは生活習慣の改善が行われます。(食事療法、運動療法)
しかし、あまり効果が見られない場合にはお薬を飲んで治療を行います。便秘型には、便を柔らかくする緩下剤で下痢型には、腹痛時の痛み止めや整腸剤・下痢止めを使用します。
 不規則な生活、睡眠不足、疲労の蓄積、心理社会的ストレスなど、症状を悪化させるようなことに関しては改善していく必要があります。症状を悪化させる食品(大量のアルコール、香辛料など)の摂取は控えるようにします。食物繊維の摂取は、便秘、下痢どちらのタイプにも有効なので積極的にとるのがいいとされています。
この病気は経過が長く完全に治ることが少ないという性質を理解することが必要です。そして症状の完全な消失にこだわらず、日常生活で病気とうまく付き合っていくことが大切です。