2021.05.23更新

大腸ポリープ

大腸ポリープってなんでしょう

大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部が盛り上がったもの(いぼのようなもの)で、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに大きく分けられます。大腸ポリープのうち8割以上は腫瘍性ポリープと考えられています。そしてポリープが発生しやすいのが直腸とS状結腸です。
腫瘍性ポリープの良性の腫瘍で、腺腫(せんしゅ)と呼ばれます。しかし、大きくなるにつれて小さながんを伴っていることが多く、そのまま放置しておくと少しずつ大きくなり5年ぐらいでがん化するものもあるといわれています。
非腫瘍性ポリープは、いずれも良性で、がんに進展する可能性は少ないです。
非腫瘍性ポリープは経過観察でも心配ありませんが、出血の原因になる場合には切除が必要になります。

 

大腸ポリープ <症状>

小さなポリープはほとんど症状がありませんが、ポリープが大きくなると便秘や血便の症状が現れます。ポリープの大きさや存在部位によって、鮮血便が出る場合と、肉眼的には異常を認めず便潜血テストで陽性を示し、初めて血便に気づく場合があります。とくに、非腫瘍性のポリープは出血しやすいのが特徴です。

大腸ポリープ <原因>

生活習慣などの環境要因と遺伝要因があると考えられています。 環境要因は食事が最も重要であり、脂肪分の摂り過ぎや食物繊維の摂取不足が危険因子とされています。すなわち、高脂肪食によって腸内の発がん物質が増加する一方で、低残渣食(繊維成分を抑えた食事)は糞便の排出を遅らせます。結果、発がん物質が腸内に長時間たまり、大腸腺腫やがんが発生しやすくなると考えられています。

 

 

大腸ポリープ <検査>

大腸がんを発見するための簡易的な検査としては、便に血液が混じっているかどうかを調べる便潜血検査があります。

しかし、便潜血検査は早期癌でも50%程しか陽性にならない場合もあり、便潜血検査陽性になったときに大腸カメラを行ってもすでに進行癌になっている場合もあります。

血便の症状がある方や便潜血検査陽性の方は精密検査として大腸内視鏡検査または注腸造影X線検査を行います。特に大腸内視鏡検査は、小さい病変であっても診断が可能でありがんの早期発見にはかかせない検査です。どちらの方法でも診断は可能ですが、ポリープやがんの発見時にポリープ切除術、粘膜切除術が可能な大腸内視鏡検査が優先される傾向にあります。

早期に発見できれば完全に治る可能性が高くなります。
大腸がんはポリープからがん化する場合が多く(adenoma-carcinoma sequence)、比較的ゆっくり進行すると言われています。定期的な検査を行うことは早期発見に繋がり、ポリープの段階で切除することでがんの予防にもなります。

 

 

 

ペプシノゲン検査

他の市区町村でABC検査を受診された方も、当院で苦痛の少ない内視鏡検査(精密検査・2次検査)も受けていただけます。

 

大腸ポリープ <治療>

腫瘍性ポリープである腺腫は前がん病変と考えられ、大腸内視鏡検査にて切除します。有茎性であればポリープ切除術、無茎性であれば内視鏡的粘膜切除術が行われます。これらによってポリープ全体を組織学的に検査することが可能になり、診断と治療の両方を行います。非腫瘍性ポリープは通常がん化することはないので、積極的に切除する必要はありません。しかし、有茎性で大きなポリープは出血や腸重積を起こす可能性があるので、ポリープ切除術を行います。
ほとんどの大腸ポリープは大腸内視鏡を用いて切除することができます。

切除する時には痛みはありません。

 

当院で行っているポリープ切除の方法はこちらです。