2016.06.30更新

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因は?


胃潰瘍は、主として胃粘膜の防御が弱まることで起こります。ピロリ菌感染、薬やストレスにより防御機構が弱まって胃粘膜に傷ができ、それが潰瘍に進みます。

十二指腸潰瘍は、胃酸の分泌が高くなり、それが胃酸の攻撃に対する抵抗力が弱い十二指腸の粘膜を傷つけて起こります。ピロリ菌感染も十二指腸の粘膜を弱めます。また、脂肪分の多い食事などが、胃酸の分泌を増やします。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因として最も多いのはピロリ菌感染で、次いで非ステロイド性抗炎症薬です。ストレスでも胃酸の量が増えると言われています。胃酸はどの原因が関係する場合でも、胃粘膜の傷の修復を妨げ、潰瘍を悪くします。

一般に、日本人には胃潰瘍が多く、欧米人には十二指腸潰瘍が多いと言われています。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.29更新

胃・十二指腸潰瘍になるとどうなるの?

 

①上腹部の持続的な痛み

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状として、最もよくみられるのが痛みです。上腹部やみぞおちに、鈍く持続的な痛みが多くみられます。胃潰瘍の場合は、食後に痛みを感じることが多いと言われますが、これは胃に入った食べ物が潰瘍を刺激して痛みが起こるためです。

十二指腸潰瘍の場合は、空腹時に痛みが起こり、食事をとると痛みが治まるのが特徴ですが、これは胃酸が潰瘍を刺激して痛みが起こるためです。

なかには潰瘍があっても全く痛みを感じない患者さんもいるため、痛みがあるかどうかや、痛みの強さだけでは潰瘍の程度を判断することはできません。

②胸やけ

 胸のあたりに焼けるような不快な感じがする胸やけが起こります。また、酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップが出る「呑酸(どんさん)」という症状が現れることもよくあります。このような症状が起こるのは、胃酸の出すぎや、胃の運動が悪くなったり、胃から十二指腸に続く幽門や十二指腸が狭くなって、胃に長時間食べ物が残ることで食道に胃酸が逆流するためです。

③食欲不振

胃潰瘍の患者さんでは、食べ物が胃に長時間残ることなどによって、食欲不振を感じることがあります。吐き気やおう吐などの症状が起こることもあります。

④膨満感

胃潰瘍の患者さんでは、胃酸の分泌が低くなることがあり、腸管内でのガスの発生が増えたり、腸の運動が鈍くなったりして、おなかが張った感じが起こりやすくなります。

病気の程度が悪くなると、その部分から出血して吐血や下血(便に血液が出ること)、穿孔(胃・十二指腸に穴があくこと)、腹膜炎などの症状が起こったりします。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.28更新

胃潰瘍・十二指腸潰瘍ってどんな病気でしょうか?


胃や十二指腸の内側(粘膜)は、強い酸性の胃酸や消化酵素を含む胃液にさらされているため、胃液によって粘膜が傷つかないようにするための仕組みを持っています。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌、非ステロイド性抗炎症薬などにより、この防御機構が傷害されて粘膜が傷つき、そこが胃液の攻撃にさらされることで、胃や十二指腸の粘膜や組織の一部がなくなる病気です。

 

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.27更新

逆流性食道炎を改善するには、何に気を付けたら良いのでしょうか?


①胃液の逆流を起こしやすい食べ物を減らしましょう

脂肪分やタンパク質の多い食事は摂り過ぎないようにする。

チョコレートやケーキなどの甘いもの、唐辛子やコショウなどの香辛料、みかんやレモンなどの酸味の強い果物、消化の悪い食べ物などは摂る量を減らしましょう。

②一度に食べ過ぎないようにしましょう

一度にとる食事の量を減らし、腹八分目を心がけましょう。食後3時間くらいは、胃の内容物の逆流が起こりやすいと言われています。食後すぐに横になったり、寝る前に食事を摂ることは避けましょう。

③アルコール、コーヒー、緑茶を減らしましょう

アルコールは、胃酸の分泌を増やすと同時に、食道下部括約筋をゆるめることが分かっています。アルコールはできるだけ控えましょう。

コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインも、胃酸の分泌を増やします。

④肥満を解消しましょう

食生活の改善とともに適度な運動を行い、肥満を解消しましょう。

⑤姿勢に注意し、おなかを締めつけないようにしましょう

姿勢と逆流性食道炎は深く関係しています。日中は前かがみの姿勢を避けましょう。寝る時は、少し上半身を高くして寝ると、逆流が起こりにくくなります。ベルト、コルセット、ガードル、着物の帯など、おなかを締めつけるものは、身につけないようにしましょう。

⑥禁煙しましょう

タバコは逆流性食道炎を悪くします。禁煙に取り組みましょう。

 

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.26更新

 逆流性食道炎は、治療が必要なのでしょうか?

 

非常に効果的な薬があり、ほとんどの方は、服用することで症状をなくすことができます。ただ、症状がなくなったからと自分の判断で治療をやめてしまうと、再発を繰り返すことは少なくありません。不快な症状から解放され、再発しないようにするために、医師の指示を守って治療していきましょう。

また、逆流性食道炎を治療することは、食道の粘膜が胃の粘膜に変性するバレット食道、食道がんなどの合併症の予防につながると考えられています。たとえはっきりとした症状を感じていなくても、逆流性食道炎の炎症の治療に取り組むことは大切なことです。

また、胸やけは、逆流性食道炎以外の病気でも起こることがあります。きちんと検査を受けて、他の病気がないか確認するようにしましょう。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.25更新

逆流性食道炎の診断は、問診、内視鏡検査などにより行われます。

内視鏡検査とは、上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)を口か鼻から入れ、モニターで食道の粘膜の状態を確認する検査です。びらんや潰瘍がみられるか、重症度はどれくらいかが分かります。重症度の判定には、粘膜の色調変化およびびらん・潰瘍の大きさや広がりによって判定されます。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.24更新

逆流性食道炎になる原因は?

 

逆流性食道炎の原因となる胃液や胃の内容物の逆流は、食事の内容、肥満、加齢、姿勢などによって下部食道括約筋等の食道を逆流から守る仕組みが弱まったり、胃酸が増えすぎることで起こります。

① 脂肪分の摂り過ぎや食べ過ぎによって、何も食べていない時に下部食道括約筋がゆるみ、胃液が食道に逆流してしまうことがあります。脂肪の多い食事をとった時に十二指腸から分泌されるコレシストキニンというホルモンの働きや、たくさんの食事で胃が引き伸ばされることで、下部食道括約筋がゆるむと考えられています。脂肪の多い食事は、胃酸を増やすことによっても胃液の逆流を起こしやすくします。

②タンパク質の多い食事は消化に時間がかかり、胃に長くとどまるため、胃液の逆流が起こりやすくなります。

③年をとると、下部食道括約筋の働きが悪くなります。また、食道のぜん動運動、唾液の量なども少なくなるため、逆流した胃液を胃に戻すことができなくなります。また、背中が曲がると、おなかが圧迫され、胃の中の圧力が高くなるため、胃液の逆流が起こりやすくなります。

④肥満の人は、逆流性食道炎の原因のひとつである食道裂孔ヘルニアになりやすいことが分かっています。また、腹圧が上がることで、逆流しやすくなるとも言われています。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.23更新

逆流性食道炎とは、どんな病気?

 

胃酸(胃液)の逆流が原因で起こる病気です。

胃液とは、酸性度の強い塩酸(胃酸とも呼ばれています)と消化酵素が含まれ、食物の中に含まれるタンパク質を分解し小腸で吸収しやすい状態にする働きがあります。

胃には酸から粘膜を守る防御機能が働いていますが食道にはこの機能がないため、何らかの原因で胃酸が食道に逆流すると、食道粘膜は胃酸にさらされて炎症を起こします。
また、胃酸によって活性化されたタンパク質分解酵素が食道を傷つけます。
胃から食道への逆流が繰り返し起こると、食道の粘膜にただれや潰瘍が生じ、胸やけや胸の痛み,喉のつっかえ感などの不快な症状が起こります。

 

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.21更新

 ピロリ菌の除菌療法は、抗菌薬2種類と胃酸の分泌を抑える薬1種類の合計3剤を服用します。これを1日2回、7日間服用する治療法です。

正しくお薬を服用すれば約75%の確率で除菌が成功します。

すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから、ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査を行います。この検査でピロリ菌が残っていなければ、除菌成功です。当院では息を採取する検査で調べます。

一次除菌療法で除菌できなかった場合は二次除菌療法を行います。2種類の「抗菌薬」のうち1つを初回とは別の薬に変えて、7日間かけて薬を飲みます。この方法で正しくお薬を服用すれば約85%を超える確率で成功します。
1回目、2回目の除菌療法を合わせた除菌率は95%を超えます。

除菌療法を成功させるためのコツは、指示されたお薬は必ず服用することです。 自分の判断でお薬を飲むのを中止したり、お薬を飲み忘れたりすると、治療薬に耐性をもったピロリ菌があらわれて、薬が効かなくなることがあります。除菌療法の間は、アルコールの摂取(飲酒)を避けてください。

二次除菌でも失敗してしまう場合は、保険適応外の三次除菌治療を行うかご相談となります。

 

 

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

2016.06.20更新

ピロリ菌は、どういう検査でわかるのですか?

 

検査方法は、3つあります。

①呼気検査

ピロリ菌が尿素をアンモニアに変えるときに二酸化炭素が発生する性質を利用して、尿素の入ったカプセルを服用する前と、服用後10~20分に、吐く息を採取してそこに含まれる二酸化炭素の量を調べる方法です。

②血液検査

血液を採取してそこにピロリ菌に対抗する抗体が含まれているかどうかを調べる方法です。

③内視鏡検査

内視鏡を使う方法では、胃の中の様子を観察すると同時に、胃カメラにより採取した胃の組織を用いて迅速ウレアーゼ試験検査をします。

いずれの検査も100%ではなくそれぞれ一長一短ありますが、胃の粘膜の状態を医師が直接観察できる「内視鏡検査」が一番信頼性が高くなっています。

投稿者: 医療法人社団 俊爽会

前へ 前へ